ACC体験記 FILE031=おぴさん

管理者=Hamaより

おぴさんからのご投稿はご主人様のACC治療経験を投稿されたものです。

眼窩(がんか)は眼球が収まっている場所です。腺様嚢胞癌(ACC)はそのような部分にも発症いたします。視神経や脳幹に近い為に治療も難しく患者様やご家族様は治療の選択にとても悩まれることか多いと聞いております。おぴさんご夫婦も例外ではなく治療までとても苦労されました。

おぴさんご夫婦のACC治療体験記をご一読くださいませ。

<原発部位>眼窩(がんか)

<ステージ>ステージⅣ

<ニックネーム> おぴ(妻)=投稿者

         サバイバーはご主人様

<性別>男性

<罹患年齢> 59歳

<住まい>愛知県

<治療>2017年/ 3~4月 陽子線治療

<現状>経過観察中

【発覚・告知から治療まで】

主人は眼窩(がんか)に発症した腺様嚢胞癌です。

2016年の夏頃、眼の奥が時々チカチカすると口にするようになりました。

以前より少し気にはなっていたらしいのですが、病院を受診するほど気になる様子ではありませんでした。でも、そのうち症状が増し心配になったので近くのクリニックを受診しMRI/CT検査を受けることになりました。その結果、どうやら腫瘍があることが判明し大学病院で詳しく調べることになりました。 

大学病院では当初「脳外科で検査ついでに採ってしまう」と説明を受けましたが耳鼻科で鼻の中から生検で細胞を採ることに変更になりました。

検査で分かったことは右眼奥(顔の中心寄り)の周りを囲む骨の内側にある眼窩に発症した眼窩腫瘍であることがわかりました。

鼻腔から生検した直後から痺れと痛みで医療麻薬が必要になりました。

今思えば 他の方法で確定できる方法は無かったものかと後悔もあります。

細胞診の結果、思いにもよらず悪性と判明、ステージ4を告げられました。 

脳幹に向かう神経に沿い浸潤中とのことで、

『手術は難しい。できるとすれば顔の半分が無くなると思って下さい。腺様嚢胞癌はゆっくり浸潤していく性質のものだから5~10年は……』と、簡単に説明されました。

また、『手術をしたとしても開けてみないと摘出できるかどうかも解りません』とも説明を受けました。

眼窩腫瘍の症例が少ない中でも治療経験が多いと云われる他の病院にも受診をしましたが、手術は難しいし粒子線はまだ確率が信頼できていないのでどうかと思うとのことでした。

治療選択に迷う現実です。

最終的には最初の大学病院では手術以外の選択枝は粒子線治療しかないと言われたことを尊重し、兵庫県立粒子線医療センターを紹介していただき受診することにいたしました。

【治療について】

2017年3月~4月、兵庫県立粒子線医療センターで陽子線の照射32回を受けました。

一か月半の入院をしての治療となりました。

疼痛の薬を飲みながらとなりましたが、体はまだ元気だったので毎日暇つぶしに病院の周囲を1~2時間をウォ-キング(帽子・日焼止め・サングラス)をして臨みました(こちらは山奥の開発団地のような何もない療養所的な立地です)。

治療が重なると次第に口内炎も始まり、だるさも増え体力もなくなっていきました。

しかし、副作用は退院してからの方が本格的なものでした。

主な副作用は口内炎、吐気、食欲不振、疼痛です。

オキシコンチン、オキノームは月毎に増えていったという状況です。

このように陽子線による副作用は半年間ほどあれこれと大変でしたが、現在では仕事も半量ほどこなせています。

照射後、最初の画像診断では腫瘍はやや小さくなったようにみえるとの見解でしたが、その後は現状維持を保っています。

照射の効果は長いスパン(数年単位)でしか現れてはこないそうで、止まっているのか、休憩中なのか、潜んでいるのかは現状では分からない状況です。

照射から一年半が過ぎた現在は、3ヶ月毎の画像診断で様子を見ながら医療麻薬の投薬の回数・量を体調に合わせようと思考錯誤しつつ、副作用の薬の影響にも苦戦中です

今、いちばん辛いのは多量の薬から来ているだろうと思われる眠気・吐気です。

短時間の仕事には気が張っている為かなんとかこなせますが自宅ではほぼ眼を閉じています。

【最後に…】

「何故、眼窩なのか…」。

思い当たる事がひとつ

偶然かもしれませんが、高校時代サッカーボールが眼に直撃し眼底打撲と云われ失明するかもと心配しました。15年ほど前ミニドッグを受けた時指摘されたことを思い出しました。

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