ACC体験記 FILE022 PartⅡ=まゆみさん
この度、まゆみさんが続編となる体験記を書いてくださいました。
まゆみさんのお嬢様は左上顎洞の腺様嚢胞癌に罹患されています。
お嬢様と一緒に闘病をしてきたお母様が、お嬢様の目線で2回目の体験記(続編)をご投稿くださいました。
まゆみさんのお嬢様は腺様嚢胞癌(ACC)には効果が出にくいとされている抗がん剤治療にチャレンジした結果、肺に転移した数個の腫瘍が縮小するという好結果を得ることができました。
その後、経過観察を続けていましたが、がん細胞の進行速度が少し速くなったことと、咳が酷くなったため再び抗がん剤治療にチャレンジすることになりました。
今回はこの2回目となる抗がん剤治療の体験をまとめてくださいまいました。
お読みになる前に出来れば前回の体験記をお読みいただけると良いかと思います。
では、まゆみさんのお嬢様の貴重な体験記をご一読ください。
<ニックネーム>まゆみ
<病名>左上顎洞癌腺様嚢胞癌
<原発巣>左上顎洞
<原因>不明
<罹患年齢>26歳
<ステージ>Ⅳ
<治療内容>前回の体験記を参照
体験記 PartⅡにあたり
肺に転移したがん細胞の進行速度が速まりつつあることと、咳が酷くなったのことがあり2度目の抗がん剤治療スタートしました。
2018.7~2018.9
今回もドセタキセルとシスプラチンでの治療ですが今回は4クールで終了となります。
2年前は6クール、今回も6クールするとばかり思ってました。
先生がおっしゃられるには、統計上、頭頸部は6クールまでで、肺の場合、4回以上やっても効果が得られないそうです。
2年前にドセタキセル+シスプラチンでの抗がん剤治療は良い結果でしたが、結果的に今回はがん細胞への効き目はありませんでした。
しかし、激しかった咳が抗がん剤治療のクール数が進むにつれ少なくなり、今では出なくなりました。辛くしんどい思いはしましたが今は咳が全く出なくなったのは良かったと思います。
<治療方法>
3週間おきに6日間入院しました。
点滴で吐き気止めと水分を流す、次にドセタキセルを流し、次にシスプラチンを流し、次に水分点滴。
抗がん剤は入院中一回のみで、肝臓に負担がかかる為の対処のための点滴は3日間入れます。
吐き気止めの点滴も3日間入り、吐き気止めの飲み薬は1週間出ます。
毎日、尿の量をチェックし体重も測定します、尿の排出量が規定に達してなければ利尿剤投与となります。
今回は、普通に点滴が出来ないことからカテーテルでピックを作ってからの抗がん剤治療になりました(二の腕の血管からカテーテルで、モニターを見ながら管を入れてゆきピックを作ります)。
退院の日にピックは抜き取られます。
先生には、ポートを強く進められました。
ポートとは、血管が分かりずらく点滴が非常に難しい方や、長引く点滴治療の方などが鎖骨の近くにポート時具を埋め込むものです。
数年前に大きな手術を受けた際に頑張りました(前回の体験記参照)。
娘はもうこれ以上異物は入れたく無いと言い張りました。カテーテルの経験はあるのでピックなら頑張れるとのことで自分の意思を押し通した結果、ポートを勧めていた先生も今回はピックでやりましょうと折れて下さいました。
以下、副作用についてまとめてみます。
「脱毛」・・・・・
今回も一回目の投与後の二週間後からごそっと抜け始めました。
しかし、今回は、最後までしぶとく残った髪の毛がほんの少しありました。
まつ毛と眉毛は、今回は半分くらい残ってます。
2年前の6クールと今回の4クールの差なのでしょうか?
病院内は帽子をかぶり、通院にはウィッグを使用しました。
髪の毛が元の長さになるには一年以上かかるので、先が長いですね。
「味覚障害」・・・・・
抗がん剤が投与されると食欲がなくなり、味覚も大幅に変わります。
入院中は、麦茶、牛乳、野菜ジュース、みかんジュース、リンゴジュース、アイス、みかんゼリー、プリン、カフェラテ、コーヒーゼリーを好んで飲んだり食べたりしてました。
退院直後の4日~5日は、おうどん、梅かゆ、卵がゆ、お茶、牛乳、カフェラテ、ジュース、アイスなどたべてました。
その後、少しずつ食べられる物が増えて来ます。
塩分が多目な味を好みます(濃い味)。
カマボコのわさび醤油、塩銀鮭、豆腐、野菜サラダ、ステーキ、ケーキ、サバの味噌煮、麻婆豆腐、なども食べられるようになりました。
脂っこく感じる物はまだまだ無理なようです。
唐揚げなどは、次の治療前には食べられる様になりましたが、また直ぐに次の治療開始となりますので、この繰り返しとなりました。
全ての抗がん剤治療終了後、数ヵ月を経て味覚は徐々に戻って行きますので、心配はありません。
「手足のしびれ」・・・・・
計4クールでは日常生活に困るような感じではありませんが、手足のしびれは今回もでました。クスリによっては爪の変形もありますが、大きな爪の変形はありませんでした。
手足のしびれも治療がすべて終了した後数ヵ月かけて良くなってくると思いますので心配はしていません(2年前の経験があるので安心してます)。
「発熱」・・・・・
今回は熱がでませんでした。
「通院・入院」・・・・・
入退院は公共の交通機関を使いました。
入院中は体力的には問題無しです。
「退院」・・・・・
退院は、電車を乗り継いでの帰宅となるので相当しんどい様子でしたがなんとか帰宅出来ました。
しかし、4クール目の退院は結果的に電車は無理となりました。
と、言うのも、帰宅途中、駅のホームで気を失い母(私)が救急車を呼ぶにことになってしまったのです。
入院中にも一度、血圧が下がりすぎて倒れたことがありました。
倒れた原因は低血圧と栄養不足によるものだったようです。
救急車で近くの病院へ搬送してもらい点滴を受けてからタクシーで帰宅しました。
<今後の治療について>
先にお話したように今回の治療は効果がなかった事がわかり次の治療提案として「オプジーボ治療」の話が上がっています。
病院から頭頸部のオプジーボ治療の冊子を頂きました。
オプジーボは頭頸部がん患者のうち再発した方、または、がんが他の場所にも広がってる方でプラチナ製剤を含む薬物療法を受けたことがある患者さんが対象となると書かれています。
今後、オプジーボ治療することになれば経過を又書きます。
2018年10月15日UP
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