ACC体験記 FILE025=ツーリングパパさん
東北エリアにお住まいのツーリングパパさんがACC体験記を投稿してくれました。
実はこの体験記…ご本人様の視点で書かれていますが奥様であるtamakoさんが書いているのです。
何年も遡り当初を思い出しながら書かれたと思います。
そのひとつひとつの重たい言葉からしっかりとご主人をサポートしてご本人と一緒に厳しい状況を乗り切った愛を感じました。
腺様嚢胞癌と分かった時にこのがんについて調べたけど詳しい情報は得られなかったそうです。
抗がん剤や放射線が効かないがん…そういう認識だったそうです。
(現在では放射線治療は手術後の再発防止として追加治療として取り入れる病院が多いようです)
治療の後遺症はあるものの今現在も元気でいらっしゃるツーリングパパさんの体験記をお読みください。
by Hama
<ニックネーム>ツーリングパパ
<住まい>東北
<羅患年齢>痛みが始まったのは12年程前。
現在49歳(2017.08)
<原発巣>左外耳道
<病名>外耳道癌(腺様嚢胞)
<体験記>
2005年頃
左耳の中に何かある様な違和感と、時々痛みあり。
特に何も見当たらないため様子を見ることに。
2007年頃
時々来る「ズキッ」とした痛みが強くなって来たため、近所の耳鼻科へ。
病名を「神経痛」と告げられる。
痛み止めと、抗生物質を服用続けるが、痛みは変わらない。
2010年頃
症状が変わらないため、市民病院に紹介状をもらう。
CTを撮るが特に悪いものが見えなかったらしく「おでき」のようなものではないか?と言われる。
中の膿を絞り出し(激痛)、綿を詰める治療を数回。
塗り薬、内服薬として痛み止めと抗生物質。
しばらくこの治療を続けるが、痛みが逆に増した様な気がした。
病院の先生も「痛くなったら来て」と言うばかりで、だんだんに不安になる。
2011年1月頃
県立病院に紹介状無しで飛び込む。
ここでは最初「外耳道炎」と言われ、痛み止めと抗生物質をもらう。
何度か通うたびに 薬を変えてもらうが、痛みが治まらない。
同年8月頃
主治医が何度か変わるが、この頃、耳鼻科院長先生に診てもらう事になる。
この院長先生の判断で「痛みの原因となっているおでき(しこりの様なもの)を手術で取りましょう」
と、話があり、ここからいろいろな事がわかってくる。
入院し手術の予定だったが念のためと病理検査をする。
これで初めて悪性腫瘍だと知らされる。
ショック…!!!!!
但しこの時点では まだ腺様嚢胞だとはわからず。
「放射線で大丈夫だ」と告げられる。
が、念のため転移がないか、PET検査に。
数日後PETの結果を聞きに行った時に初めて
放射線 抗ガン剤が効かない癌→「腺様嚢胞癌」と告げられる。
県内で手術出来るのは隣市の 大学病院だけだそうだ。
「病院は自分で決めて下さい」と言われ、慌てて調べるが当時「腺様嚢胞癌」はネットで検索してもなかなか出て来ない。
いろいろ考えたが、やはり近い方が良いだろうと、病院は隣市の大学病院に決めた。
2011年11月
大学病院に紹介状を持って行く。
この頃には左耳の穴が塞がる位に腫れがあった。
嚢胞だけの切除は出来ないとう事で、外耳道〜鼓膜までの切除手術となる。
耳の形は残るが、切除後の穴は深いために大腿の筋膜を使い、カバーするとの事。
手術は8時間の予定だったが処置室に戻るまでは10時間程かかったらしい。
翌朝、意識が戻り起きると、全身に筋肉痛を感じたが手術した左耳の痛みは無かった。
手術から3ヶ月入院となり、その間に抗ガン剤:タキソテール週1回と、放射線治療を行った。
しばらくして多少髪が抜けた。抜けたのは一部で、放射線を当てた場所の近くだけだった。
髪は現在元通り。
放射線は顔の石膏マスクをする度に心臓が速くなり息苦しく、閉所恐怖症の様な状態に。
「放射線は効かない癌だし」と、先生に頼んで最後の1回、放射線治療を拒否した。
左耳の聴力を失い、舌の味覚が少し変わるが、生活や仕事には支障なく過ごす。
退院後も定期的に通院し、経過を診てもらう。
半年ごとにCT。
1年ごとにPET。
手術から5年後 … 2016年12月
肺への転移が発覚。
肺の嚢胞は小さく散りばめられた状態。まだどれも数ミリ。
しかしながらかなりショック…!!!!
先生から「パクリタキセル 週1回を無期限で」と治療の話があり、その場ではそれで小さくなるならと やるしかないと思ったが「無期限」に不安が残った。
再度先生に相談し、結局、抗ガン剤は受けずに定期的に検査で様子をみることに。
現在(2017年8月)
仕事も生活も変わらず、本当に癌なのかなと思う程普通に過ごしている。
12月に肺転移がわかってから3月に再度CTを撮ったが、期間が短いせいか、大きさは変わっていなく、安心。
次回は10月の診察予定。
手術した当時から5年が経ち子供達も成長したがまだ末の子にはちゃんと話していない。
これからどうなるのか不安は尽きないが、良い治療法が早く見つかる事を切に願う毎日です。
2017.08 UP
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