ACC体験記 FILE013=HAKU☆さん
<原発部位>右耳下腺
<STAGE>I
<ニックネーム>HAKU☆
<性別>女性
<罹患年齢>35歳
<住まい>愛媛県
<治療>2015年4月・5月 手術
2015年6月 放射線治療
<現状>3ヶ月に一度エコー 年に一度PET-CT 再発転移なし
<体験記>
発覚から治療まで...
いつからなのかはっきりしないのですが、2012年頃、右耳後ろ下のほうを押さえると、軽く鈍い痛みを感じるようになりました。
この頃0歳児だった息子を抱っこしていて、何気に息子の手が右耳に当たった時に激痛を感じることもあり、気になりつつも放置していました。
右親知らずが虫歯だったこともあり、そのせいで炎症からリンパが腫れて痛みがあるのだと勝手に思い込んでいました。
2014年10月
だんだん右耳後ろ下の腫れが大きくなったと感じ痛みも増してきました。
今までは押さえたら鈍い痛み位だったのが普通にしてても痛むように...
耳鼻科を受診したら、肩凝りからの痛みと筋肉をほぐすお薬を処方していただくも、変わらず。
それでも今まで経験したことないような痛みが気になったので、総合病院にて造影剤CTを撮りましたが、特に異常はありませんでした。
他の耳鼻科も何件か受診しましたが、特に原因もハッキリせず。
右下奥歯なのか、歯茎なのか...その辺りの痛みが辛いので歯科も受診していました。
寝ている間に歯ぎしりしているのではないかということで「マウスピースを作りましょう」と言われましたが、納得出来ず、違う歯医者へ。
右下奥歯の銀歯の下が虫歯になっていないか銀歯を外すも異常は見つかりませんでした。
2014年12月
耳の後ろから後頭部にツーンと抜けるような痛みがひどくて起きてられず。
特に食べ始め...酸味のあるものや熱いものを口にした時に、歯から神経に伝わって耳の後ろに響く痛さが辛すぎて、県病院の口腔外科に駆け込み受診。
受付で症状を話し顎関節症を疑いレントゲンなどを撮りましたが結果に異常が見つからず。多分、耳鼻科の領域になるのでかかりつけの耳鼻科を受診するように言われました(なんでこの時、口腔外科ではなく、耳鼻科を受診しなかったんだろう…)。
耳鼻科3件、歯科2件、何度か受診しましたが、特に問題もないので歯科で歯をしっかりみてもらおうと歯科に通い始めました。
また、シコリが大きくなっているような気がして、もう一度耳鼻科に行きましたが、やっぱり肩凝りの薬で様子を見ることになりました。
2015年2月
痛みも全く改善されず、ひどくなる一方なので歯科で神経をとってもらうように根の治療を始めました。
診ていただいていた歯科の先生が元々大学病院にいらした先生で、大学病院の口腔外科の先生に相談してくださり紹介状を書いてもらうことになりました。
あまりの激痛に内科も受診し電気治療やイオン注射をしてもらいました。
2015年3月
大学病院の口腔外科を受診。
造影剤MRIを撮った結果、右耳下腺腫瘍が見つかりました。
2015年4月
おそらく良性の多形腺腫だろうとのことでしたが、画像的にもグレイな所もあり、足からの神経移植の準備もして、右耳下腺腫瘍摘出手術を受けました。
術中の迅速病理検査の結果は良性で、私の耳下腺腫瘍がかなり深葉部のため顔面神経がボンレスハムの糸ように絡みついているようです。
もし腫瘍をとるなら一生顔面麻痺になるリスクが高いとのお話し。
手術中に家族が呼ばれどうするか話し合い、良性なら取らず、定期検査で様子を見ることにしました。
結果的に腫瘍はとらずに、そのまま閉じました。
その後、3週間ほど経ち最終病理検査の結果、悪性の腺様嚢胞癌だと宣告をされました。
2015年5月
再度、耳下腺腺様嚢胞癌の全摘出手術を受けることになりました。
リンパ郭清、顔面神経を切断し右足の緋腹神経を移植します。
手術後に顔の右側が全く動かなくなり右顔面麻痺になりました。
2015年6月~7月
強度変調放射線治療(IMRT)33回66グレイ照射。
子供たち3人がまだ当時3歳、5歳、7歳と小さかったので、通院で放射線に通いました。
照射部分の皮膚のやけどのような炎症、照射部分の脱毛、味覚障害などの副作用がありました。
味覚がない辛さがなんとも言えませんでしたが、口内炎は酷くなく一時的なものでした。
現在...
仲のいいお友達の前ならマスクも外せて、外食も出来ますが、基本的に外に出る時は常にマスクです。
家族には「自分が気にしているほど、人はそんなに見ていないし、おかしくないよ。」 と言われますが、自分自身がまだ全く動かない右側の顔を人前で見せる勇気がなくマスクは手放せていません。
右側が全体的に下がった感じではありますが、私自身は食事では今のところ不自由ありません。
始めの頃は、お寿司一貫は3等分にしないと入りませんでしたが、今は一貫入るようになりました。
口が開けづらいことはありますが、食事中にこぼれたりすることはありません。ただ口の周りにはつきやすいので気にしています。
言語は「ぱ」行が言いにくいですが、それ以外は支障ありません。
なんとか目の神経だけは切らずに残せているのですが、未だ右目は閉じ切ることが出来ず、瞬きがしっかり出来ないので涙が溢れ目も霞みやすいです。
以前はコンタクトレンズでしたが瞬きがしっかり出来ず目の中でズレてしまうため眼鏡生活になりました。
現在、病院は3ヶ月に一度エコー検査、何かあれば追加でCT・MRIを予定しています。
年に一度PET-CT、肺のCTをしています。
2016年10月に年に一度のPET-CTを受けましたが検査の結果再発転移みられませんでした。
腺様嚢胞癌は本当に厄介な癌でこれからどうなるのか思います...
検査のたびに不安や恐怖はありますが、病気になって放射線治療で味覚障害になり、こんなにも普通に味わって御飯が食べれること、普通に生活出来ることほど幸せなことはないんだと改めて実感しました。
15年間は検査していくと言われているので不安は続きますが、1日1日を大切に今をしっかり楽しく過ごして行きたいです。
私の周りには耳下腺腫瘍の方も全くおらず、はまさんのブログから情報をいただきこの病気についても理解することが出来ました。
住まいが愛媛で東京から離れているので情報も乏しくイベントにも参加することが出来ませんが、いつもこの病気に関しての知識や情報など ブログを通して勉強させていただいています。
なかなかいない希少癌ですがこちらで同じ病気の方の体験談を読ませていただいて、本当に勇気づけられています。
これからもよろしくお願い致します。
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