ACC体験記 FILE004=ぴょろさん
<原発部位>涙のう(涙腺、鼻涙管)
<STAGE> ―
<ニックネーム>ぴょろ
<ブログ>娘の「涙のう」に「腺様嚢胞がん」…
※患者の母親であるぴょろさんが書かれているブログです
<性別>女性
<罹患年齢>13歳(患者=娘)
<住まい>関東
<治療>陽子線26回照射(65gry)
<病院>国立がん研究センター
中央病院(築地)→同 東病院(柏)
<現状>経過観察
<体験記>
娘が13歳のお誕生日を迎えた頃、鼻の付け根の左側に若干の膨らみがあるように感じました。
不思議な親の勘でした。
全く自覚症状はなくいつもなら気にもしませんが念の為に地元の耳鼻科を受診(初診)。
ファイバースコープで見ても異常は分かりませんでしたが、一応、大きな病院で診てもらったほうがいいかもとのことで、地元総合病院耳鼻科を受診しました。
当初は良性のものだろうとの見解でしたが、後日、CTの画像を見て悪性の可能性が極めて高いことが判明しました。
悠長にここで次の検査を待っていたら、どんどん進行してしまう?!と考え、慌てて国立がん研究センターの希少がんホットライン(電話相談)に電話で相談。
急遽、国立がん研究センター中央病院(築地)の小児腫瘍科を受診することにしました(年齢的にまず小児科を受診します)。
タイミングよくその日のうちに頭頸科にて生検(鼻腔から細胞採取)してもらうことができました。
そして後日、病理診断結果で「腺様嚢胞がん」であることが分かりました。
告知は希少がんセンター頭頸部腫瘍担当Y先生から受けました。
13歳の患者本人と家族を目の前に、丁寧な告知でした。
治療方法として…
①広域に切除(オペ)→ 眼球摘出かつ眼窩周辺(顔面半分)をすべて切除
②部分切除+放射線
告知当日は、上記の二つの選択肢を提示されました。
さらに、他の可能性として、「陽子線治療」が、適用できるかもしれないとのことで、放射線治療科のA先生の紹介を受けました。
結論として、私たち家族は陽子線治療を選択し、国立がん研究センター東病院(柏)にて陽子線治療を受けました。
治療を終え、二度の造影剤MRI検査の結果は、腫瘍が縮小(寛解)とのこと。
このまま経過観察に至っています。
陽子線照射部位を、後から手術可能かどうかはケースバイケースだが東病院なら出来ると、陽子線治療を選ぶ前には、頭頸外科のH先生にもアドバイスを頂きました。
我々が迷いなく選んだ治療は、命は勿論、未来ある娘の将来を考え、QOLを優先しての判断でしたがオペを先にすべきか葛藤もありました。
とにかく、年齢が若い。
治療の選択に悩む時間もありませんでした。
それでも、この短期間に、我々が出会った沢山の医師や医療従事者すべての方々の熱心かつ丁寧な対応に支えられて、今があるのだと思っています。
娘は、中学2年生となり、学校生活を精一杯楽しんでいます。
この先も心配は消えません。
心配を生きる自信に変えるために、長期的に経過観察を続けつつ、親として娘が娘らしく笑顔で過ごす人生をサポートしていきたいと思っています。
娘には応援してくださる沢山の方々がいます。
入院中の娘は、希望を持って自分を信じること「believe in yourself」と、何度も書いては口にしていました。
彼女は病気を通じて沢山の宝物に気づいています。
失うものや出来ないことにばかり目を向けて嘆くより、今のすべてを受け入れて今あることに感謝しよう。
そして、どう行動を起こし、前を見て生きていくか。
娘の笑顔で、自分の道を切り開くと信じています。
2016年9月1日UP
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2016.09.01 06:15